兄さんに頼まれていたお使いが終わって、家に戻って、「ただいま」って部屋にはいったら。

いつもはすぐにでも返ってくる「おかえり」っていう返事がなくて。

しかも、兄さん以外の人の気配。

とても、とても嫌な予感がして、慌てて部屋に駆け込むと、よく一緒に遊ぶ仲間達と、そいつらに囲まれて少し困ったようにはにかむ兄さん。

思わず、買ってきた果物を落としそうになったけど、なんとか机において(だって、落としたりなんかしたら兄さんに怒られてしまう)
兄さんを囲む仲間たちに割り込んだ。


「っわ。何するんだよヴァン!」

仲間の一人の抗議の声。だけど気にしない。

兄さんは、ぽかん、と驚いたように俺を見る。
そして、兄さんはにこり、と微笑んで

「おかえり」

俺だけに向けて言ってくれたその言葉。
とても嬉しい。嬉しいけど、今はちょっと待ってね兄さん。
こいつら、追い出すから!

「もう、お前ら帰れよ」

少し怒りを含ませた声で、仲間達に。

そしたら、案の定というかなんと言うか、なんで、とかずるい、とか。
いろんな非難の声。

「いーじゃんか。ヴァンはいっつもレックスと一緒にいるんだからたまには俺たちもレックスと遊びたいんだよ!」

とさっきとは違う仲間の声。

「兄さんは、俺の兄さんなんだから兄さんと遊びたい時は俺に許可を取ってから!」

・・・なんて理屈だ!
自分でも思うけど、だけど、これは本音。
兄さんは、オレの兄さん。
独り占めしたい。

「えー。でもそんなこといったってお前、絶対許可なんかくれねえじゃん。」

いいところをついた。
それがわかってるなら、さっさと帰れよ今日はもう。

オレのそんな気持ちが通じたのか、しぶしぶ、といった感じで仲間たちは今日は帰っていった。


それを見送って、さっきまでの一連の流れにぽかん、としている兄さんにもう一度。

「ただいま」

机に置いておいた果物を渡して、笑顔で言ったら、

「おかえり」

今度は、今度こそ俺だけに向けられた、俺しか見てない笑顔とともに、ほしかった言葉をくれた。












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某国民的アニメサザ○さんにて、か○おがマ○オさんを誘いに来た友達たちに言ってたんです「兄さんは僕の兄さんだから〜」ってことを。
非常にときめいて、これはヴァンレクで使えるぞ、と。