. 注意!
女体化です。ティキラビです。ナチュラルに夫婦です。法的に二人が夫婦です。言わずもがな、現代パロディです。
それでおk!てかたは、そのままスクロールどうぞ。
























「ただいま、」

仕事がおわって、いとしい人が待つ家の玄関をくぐれば、
(ああ、今日の晩御飯は、シチューかな)なんて、ああ、なんて幸せ。
次いで、聞こえる「おかえり」の声。

ひょっこりと、キッチンから顔を出した愛しの人は、どこか、今朝と様子が違った。
悪い意味じゃなくて、なんだろう、いい意味で。
どこか、浮かれているというか、幸せそうというか、楽しそう、うれしそう?
とりあえず、ラビにとっていいことがあったんだろう。
きっと、夕食のときにでも、にこにこしながら自分にも教えてくれるんだろう、と思い、その内容を予想しながら、鞄を自室に置きに行き、スーツから部屋着に着替える。

「ごはん、もう出来るからリビングで待ってて」


そういうラビの声も、やはりどこか嬉しそうで。
ああ、大好きな人が幸せなら、俺だって、すごく幸せ。

テレビを見ながら、リビングの椅子に座る。
ことり、と音が鳴ったのでテーブルを見れば、おいしそうなシチューの入った皿(この前二人で選んだ皿だ)

「なんか手伝う?」

問えば、「大丈夫さー」と軽く返ってくる返事。
そっか、とだけ返して、でもやっぱり手持無沙汰だったから、スプーンとか、小さなものを並べた。
それを見てにこりと笑って「ありがとさー」と言ってくれるラビの笑顔にやっぱりまた癒されて。
用意ができたから、二人で向かい合って座って、一緒に手を合わせていただきます。

今日のは自信作さー、なんて言うラビのシチューは、うん。おいしかった。

それからしばらくは、なんか最近一気に増えたクイズ番組を二人であーだこーだ口出ししながら見て、
あ、とラビが思い出したように口を開いた(実際は、忘れてなんかなくて、タイミングを見計らってただけだと思うけど)


「ティキ、聞いて!オレさ、」

うれしそうに切り出したラビを見つめていたら、いきなり言葉がとぎれた。
ん?と思って見つめていたら、いきなり口元を押さえて駆け出すラビ。
向かった先は、トイレ。

え、え、え?

いきなりのことに唖然としながら、でもさっきの行動で、行き先がそこということは、背中でもさすってやらなきゃ、と考えてすぐにラビの後を追う。

「ラビ、大丈夫か?」

トイレでせき込むラビの背中をやさしくさすってやる。
苦しそうなラビを横から見て、不謹慎だけど、どこか、そそられると思ってしまった自分は死ねばいい。
でも、だって、しかたない。 うなじに、首筋に、嘔吐感に、不快にひそめる眉に、
どこもかしこも魅力的だ。だって、ラビだし。

「ごめ、ん」

小さくまだケホケホとせき込みながら、こぼれた小さな謝罪の声に、はっとして、
それまでの不謹慎な思考を頭の片隅に追いやった。

「大丈夫か?」

落ち着いたらしいラビを支えて立たせてやる。

「大丈夫さ。あのさ、ティキ、さっきの続きなんだけど」

「え?あ、ああ。」

もう、待ちきれないとでも言うように、再び話を切り出すラビ。
落ち着いてからじゃダメなの?
お前今吐いたばっかじゃん。
え、あ、お前、今、吐いた、のか。
まさか、まさか、まさか、なあ?
俺の頭の中に、今日の嬉しそうなラビと、そして、たった今のラビの姿が、勝手に結びついた。
え、そんな、まさか。だって、それは、うれしすぎる。

自然、ラビの言葉の続きを、期待する。
そして、




「赤ちゃん、できた」




にっこりと、少し照れくさそうに、ほほを染めて、

そしてすごくうれしそうに。ラビは言った。







この瞬間の記憶だけで、
あと何年でも生きていける気がした




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やっちまった!