「マジ、ありえねえ。」 うわおまえ。どっから現れたよ。 ほんと、神出鬼没を売りにしてんのかあんた。 てか、なに。その仏頂面。俺なんかしたっけ? こちとらあんたらが昨日仕掛けてきたアクマの大群相手してつかれてんだよ。クソ似非紳士。 「ありえねえ。」 「何が。」 同じセリフを繰り返す似非紳士・・・ティキに俺はこれまた冷たく返す。 だから、寝たいの俺は。 「今日は何日?」 「2月15日」 「昨日は?」 「2月14日。・・・・・・それで?」 「チョコは!?」 あーあーあー。それでその顔。 「・・・・・・だいたい、そんなの菓子屋の陰謀さ。」 「うっわ、そんな冷たいこというなよ!」 「そもそも、俺は悪くない。悪いのはお前達。」 「は?」 「なんだよ。俺が珍しく素直にチョコなんて買ってやろうかな、と思ったその菓子屋の店員がアクマ。 そこからまるで軍隊の行進のように押し寄せてくるアクマ。これで俺のどこにチョコを用意する暇があったと?」 あ、ちょっとばつの悪そうな顔した。 けど、すぐに何かに気付いた顔をして、そして笑顔。 ああ、結局俺は寝れないのかもしれない ------------------------------------------------------------------- バレンタインネタ。 ------------------------------------------------------------------- 「ラビ」 「ラビ」 「ラビ」 目の前にいる人の名前を呼んでも、一向に彼の人懐っこい笑顔を見せてはくれない。 「ラ……ブックマン」 「ん?何さアレン」 「…。いえ」 「そんな顔するなよ。俺ははもうその名前だってないんだから」 そう言って、いつもの、今までと同じ…あなたが『ラビ』だった頃と同じ笑顔を見せる貴方を見て、僕は何故か無性に泣きたくなった ------------------------------------------------------------------- 未来捏造。ブックマンラビ・・・? ------------------------------------------------------------------- 「ユウ」 右目を黒い眼帯で隠した赤い髪の毛の男は、「不機嫌」をそのまま人間にしたかのような表情を浮かべる長い黒髪のジャパニーズの事を、なんとファーストネームで呼ぶ 「ユーウ」 「…」 「ユウってば」 「…」 「ユーウちゃーん?」 「っるせぇなお前は!その名前で呼ぶな!何度いえばわかるんだ!」 「だってぇ…俺はみんなのことファーストネームで呼びたいんさ」 「あ?何でだよ」 ジャパニーズがそう問えば、眼帯はおおよそ、次に発する言葉には相応しくない笑顔で言った 『俺には名前なんか無いから。』 ------------------------------------------------------------------- 過去捏造。どうやら私はラビの名前ネタが好きらしいです。 ------------------------------------------------------------------- 学園パロ。ティキ→先生。ラビ→生徒 「Trick or treat!」 一人、放課後の教室でひたすら本を読んでいたラビのもとへ、大きな声でハロウィン独特の言葉を言ったものがいた。 「何やってんさ・・・ティキセンセ」 呆れた顔で、ラビは現れた人物―ティキを見る。 「ノリ悪いなお前。ハロウィンだぜ?ハロウィン!せっかくこんな格好までしたってのに」 「・・・で、そのかっこはなに?」 「吸血鬼?」 「あ、そ。オレもう帰る」 「うっわ、冷たえ!つーか、待てよ。聞かなかったのかよ。『trick or treat』だぜ?」 「・・・・・・」 「え?何?もしかしてお菓子もってねえの?じゃあ、いたずらで」 嬉々とした笑顔でティキは言う。 「・・・甘けりゃ何でもいい?」 「は?」 突然のラビの質問にティキは疑問符を投げかける。 「・・・。」 手でティキを自分の方へ呼び、指で自分の耳を指す。 『耳を貸せ』と。 「?」 未だティキは不思議そうに、しかしラビに言われたとおりに少ししゃがんでラビに耳を貸した。 「一応、大好き」 「・・・!!?」 ラビの発した言葉を聞いた瞬間、ティキはラビの顔を見た。 彼にしては珍しく、顔を真っ赤にし、その大きな手で顔の半分を覆うようにして。 「え、え・・・今、なんて・・・?」 「んじゃ、帰る。バイバイ」 ラビはティキの質問には答えず、ティキのほうも向かず、教室を出て行った。 その後姿でも少し見えた耳が赤かったのは気のせいではないだろう。 「つーか、『一応』かよ・・・」 緩む口元は抑えられない。 十分甘いものはもらったけど、それはそれで今夜いたずらしてやろう、と心に誓ったティキだった。 |