アレンと、食堂でばったり会って、暫く話し込んだ。

たがいの最近の状況とか、またコムイがいらんことして化学班のみんなに怒られてたとか。

あと、ユウも見掛けたから二人で一生懸命、全力を尽くしてからかってきた(もちろんユウには全力で怒られた。でもこれもご愛嬌)。

で、だ。

また明日、つって、アレンと別れて、部屋に戻って来たら。

いるはずのジジイがいなくて、なぜかいたのは、窓辺に腰掛けたティキ。

ええ。そうですよ。敵ですよ。

「…ジジイは?」

なんとなく、ドアをしめて、一番目の言葉はこれだった。我ながらちょっと冷静だと思った。
だって、この後のティキの言葉だって想像できる

「え、もっとおどろかねぇの?」

さも意外そうに言った。
やっぱり、想像どーり。

「ジジイは?」

なんて、もう一回聞いてやる。
そしたら、「どっかに散歩に行ったの見てから入って来た」と答えられた。

「ふーん」

「嘘じゃないぜ?疑うならそこの門番に聞いてこいよ。」

「んー。別にいーや。眠ぃし。オヤスミティキ」

なんとなく、なんでティキがここにいたかはわかるけど、あえて気付いてないふりをしながら言って、団服も脱いで、バンダナも取って、ベッドに潜り込んだ。

そして、そのまま睡魔に身を任せようとしたら、聞こえて来たティキの少し慌てた声。

「なに…」

と、眠そうな(いや、実際眠いけど)声で尋ね返せば、文句ありげに返って来たティキの声。

「せっかく危険を犯してまでここまで来たのに、その態度はひどくねぇ?」

「勝手に来たんだろ」

「へぇ。ラビってばそんなこと言っちゃうんだ」

あのー、ティキさん、キャラ変わってますが…。

なんて、俺の心の中のツッコミは当たり前ながら何の効果もなくて。

ティキは仰向けに寝る俺に、馬乗りになって、俺の顔の横に手をついた。

そして、近づくティキの顔。

あ、ホクロ。

なんて思ってる間に、ティキと俺の口は重なった。

一瞬のそれは、僅かな余韻だけを遺す。

ティキは、余韻には浸らず、俺のかぶってる布団を剥ぎ取り、服をぬがしにかかっていた。

ああ、ほら。やっぱりまた、こうなるんだ。

眠たいことを理由にして、このまま抵抗せずに身を任せてしまおう、と俺はこっそり決めた。

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つーか、散歩に一人でふらっと出かけるブックマンなんて嫌だ(笑