愛しい人がいる。

僕より年上だけど、よく見せる彼の笑顔はそんなことを感じさせなくて、初対面の時、とても安心したのを覚えてる。

彼の橙の髪の毛は、彼の笑顔と同じように人を引き付ける。

彼の笑顔は、向ける相手を選ばなくて、僕はもちろん、リナリーや、コムイさん。
リーバーさんやジェリーさん、神田にだって、とても人懐っこい笑顔を向ける。
彼を嫌いな人なんていないんじゃないかな。

だって、あの神田でさえ、嫌っている僕のことを彼に、不愉快なあだ名と共に話したりしたのだから。

でも、僕は彼のことが時々嫌いだ。

彼は、『ブックマンの後継者』という地位にもいる人だから、やっぱりその知識量は、僕なんか足元にも及ばない。

そんな、膨大な知識をもってして、よく、とても楽しい話を任務先までの汽車の中とかでしてくれる。

でも、いろいろな話をしてくれるけど、その中に彼自身の話はない。
まぁ、好みの女性なんかの話とかはあるけれど。
けれど、彼自身のことを自分から語ってはくれないんだ。


だから嫌い。


あなたは僕のことたくさん知っているのに、僕はあなたのことを全く知らないのだから。

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ことごとく短いですね・・・