ランナーズ・ハイ
最初はティキのこと、大ッ嫌いだったんさ・・・。
ベッドの上に、ラビを後ろから抱きかかえるように腰掛けて、それぞれ思い思いに時間を過ごしてた。
ラビは、本を読んで、オレはそんなラビを抱いたままとりあえず、ラビの読む本に目を落としてた(まあ、もちろんというかなんと言うか内容なんてこれっぽっちも頭に入ってなかったけど。)
そう、そんなときだ。
愛しい愛しい目の前の兎は、唐突に、しかもまるで「今日の晩御飯はお肉だから」なんていうのと同じテンションで言った。
「は・・・?いきなり何よラビちゃん。」
思わずカマ口調。
「だから、初めてあったときとか、次に会ったときとか、ティキのこと、これ以上ないくらい嫌いだったんさ。」
「うん、」
「・・・それだけ?」
反応の薄いオレに、ラビは不思議そうに首をひねってオレを見上げた。
「だって、今は嫌いじゃないだろ?」
耳元でささやいてやれば、ラビは少し、顔を赤くした。
いつもの流れだったら、そのままラビは再び本に集中するのだけど。
今日のラビは、
「今は・・・すごい、だいすき」
極上の笑顔つきでそう言ってから、本に目を戻した。
ちょっ・・・と、今のは反則じゃねえ?
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・・・恥ずかしい