別れの日の空
青い青い空の下。
立派な校門の近くには、たくさんの人間がさまざまな表情と共に立っていた。
「リナリー、泣くなって。」
な?お願いだから、泣くなよ。
わたわたと、制服の胸のポケットに赤い赤いそれは綺麗な花をつけた赤い髪の眼帯の少年が、ぽろぽろと涙を流す黒髪の少女を必死でなだめていた。
「あ、ユウ!先帰んなってば!コラ!」
なだめる傍ら、眼帯の少年はさっさと帰ってしまおうとする、同じく胸に赤い花をつけた、長い黒髪を一つにまとめた目つきのきつい少年を呼び止める。
ユウ、と呼ばれた彼は、ひとつ、舌打ちをして渋々そこに立ち止まった。
それを、片方だけの目で見止めた眼帯の少年は、リナリーと呼んだ少女に向き直る。
そして、視線を合わせるように少しだけ膝を折り曲げて、にっこり、と笑った。
「リナリー、泣いてくれてありがと。」
でも、
と眼帯の少年は続ける。
「オレ、リナリーの笑った顔のが好きだから、今日はやっぱり笑ってて欲しいさ。」
な?笑って?
鼻の先がついてしまいそうなほどの至近距離で眼帯の少年はリナリーに言う。
リナリーは、涙を止める事は出来なかった。
だが、ぽろぽろと涙を流してはいるが、流しながら、彼女は優しく微笑んだ。
「そつぎょう、おめでとう」
「サンキュ」
涙を流しながら、それでも心からの祝福のこもった声。
そして、それに対する、感謝の言葉は、額に一つのキスと最高の笑顔とともに紡がれた。
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あ、ちなみにこのラビとリナリーは別に付き合ってるとかじゃありません。
なんか、友達としてのキスでした。
えー?最初はティキラビにする気満々だったんだけどなあ・・・。
そんなこんなで自分卒業記念。卒業ネタでした。