15 自転車に君を乗せて




「んじゃ、とりあえず、入学オメデトウ!」

とりあえず、ジュースで乾杯。お酒は後ほど。

「まあ、でも。ほんとよかったさ。ユウ、卒業すら危なかったもんな?」

「うるせえ」

「あー、でも懐かしいさ。ユウ覚えてる?」

「何を」

「高校の入学式の後もここで一緒に祝ったの」

「まあな」

「あら、ユウちゃん珍しい。今日はやけに素直」

小さく目を見開いて、ラビは言う。
本当に驚いているらしい

「ユウちゃんって言うな。」

「まあ、まさか大学までユウと一緒とは思わなかったさ。」

批判は聞こえないとばかりにラビは、一人話を続ける。

「ま、ユウはスポーツ推薦だけど」

「・・・・・・」

「なあ、またこれからも四年間よろしくさ」

にこり、笑ってラビは言う。

「ユウ、運動しなきゃだし、また高校のときみたいにオレをチャリンコの後ろ乗っけてな?」

「・・・お前もたまにはこぐならな」

「『たまに』でいいんさ?」

「・・・ああ。」

「そんなん、お安い御用」


んじゃ、これからまたヨロシクな


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入学ネタ。
ほんとは、これ卒業ネタでした。ラビリナ話の続きの予定でした。
ただ、時期を逃した上に、自分が今度は入学式終わっちゃったので、なら入学ネタでいいや!と。